現職に不満があるから転職するのだから、円満退職する必要がないと考える方も、中にはいると思います。ですが、同時に、長いビジネスマン人生を考えれば、円満退職をしておくことが未来の自分を助けることになることもわかるはずです。
というのも、特に同業界・同職種に転職する場合、それまでの取引先のひとと、業務上、関わりを持つ可能性が高くなるでしょう。辞める会社の都合は全く考えず、自己都合で強引に退職してしまうと、かつての勤務先に悪評を流され、それが後々仕事に跳ね返るという話は、よく見聞きします。
例え同業界・同職種への転職ではなかったとしても、どこでどう繋がっているかわからないのが社会というもの。転職後に自分の立場を危うくする可能性がほんのわずかでもあるのであれば、それを避けるために円満退職することを目指すべきなのです。
縁があって勤務した会社には、機会があれば訪問できるくらいの人間関係を残しておきましょう。
円満退職をするには、勤務先にかける迷惑が最小限になるように、きちんと引き継ぎをしてから退職できるよう、計画的に転職活動することが大切です。
日本の慣例では、就業規則に則って退職届を出す前に、直属の上司に相談という形で退職の意向を伝え、後任人事や引き継ぎ期間の相談を行ったうえで、退職日を決定するものです。
もし上司から「後任人事を確定させるまでは辞めないでもらいたい」と言われたり、「求人で人材を募集するから、もう少し退職する日を延ばして欲しい」と要望されたら、できるだけそれを受け入れるようにしましょう。
こうして相手側(会社や上司)の言い分を聞き入れることこそ、円満退職に不可欠なこととなります。
段取りをきちんと踏んでから退職できるように、転職先との入社日の日程調整をしておくことをおすすめします。
現職に不満があるから転職するはず、と一番最初に言いましたが、もし本当に現職への不満が原因で転職を決意したのであれば、退職理由の伝え方には十分に注意しましょう。
その不満をぶちまけないこと、これを徹底しなければいけません。
会社に不満がある、上司に不満がある、今の役職や待遇に納得がいかない、人間関係に問題があるなどを退職理由にしないことです。それが本音であり真実であったとしても、そうした不平不満を口にした途端、円満退職への道は途絶えてしまうでしょう。
退職理由を聞かれてもネガティブな発言はしない、退職の意思を表明した後に同僚などと食事をしたりする機会もあるかも知れませんが、ここでも会社への不満は口にしない、これを徹底した先にあるのが円満退職である。そう強く思っておかなければいけません。
関連記事