転職を決めたら、退職の意向を、まず直属の上司に伝えなければなりません。退職者が出るということは、組織に穴があきますし、上司の評価に関わることも少なくないので、必ず理由を問われるはずです。
このとき、本当の理由は現職への不満であったとしても、絶対にそれをストレートには伝えず、「家庭の事情」など、引き止めるのが難しいと思わせるような理由や、「自分のキャリアアップのため」など、比較的ポジティブな理由で押し通してください。
もし、「給与に不満があるから」、「待遇に満足できないから」などといった現状への不平不満を退職理由としてしまうと、勤務条件や待遇の改善を前提に、強く慰留される可能性が出てきてしまいます。そうなるともう何も言い返せなくなってしまうでしょう。
また、上司から引き止められたことにより退職を思いとどまったところで、一度辞めようと考えた会社で、生涯満足することなどありえません。
情に流されず、自分にプラスになる転職を実現してください。
退職に際し、後任者との引き継ぎのときには、取引先に挨拶することになります。また、挨拶状を送るときに、文面に退職理由を盛り込みたいと考えるひとも、いるかもしれません。その際にも、どんなに親しい方に対しても、ネガティブな理由を告げることなく、自分の都合であることを退職の理由にしておきましょう。
挨拶状では、「一身上の都合」としておくのがスマート。もし親しい方や、退職後もお世話になりたいと考える人がいるのであれば、挨拶回りをした後で、あるいは挨拶状を送った後で、再び会うなり手紙を書くなりし、そこでさらに踏み込んだ理由を話すようにしてみましょう。
ひとは思いがけないところでつながっているので、軽い気持ちで言ったことが、どのように歪んで伝わるかわかりません。転職後に禍根を残さないように、できるだけ前向きな退職理由を説明し、余計なことは言わないように心がける必要があるのです。
退職理由をどのように伝えるか、これはとても重要です。理由そのものも大事なのですが、その時にどのような感情で伝えるか、ここが非常に大切なポイントとなってくるでしょう。
「大変申し訳ありませんが」や、「心苦しく思うのですが」などの言葉を添えるようにしてください。
この言葉が添えられているかどうかで、受け取る側のあなたに対する印象が全く異なったものになるはずです。
本当に申し訳ないと思っている、という感情を込め、それを伝えることが何よりも重要。退職時に波風立たせたくないならば、退職理由を考えるとともに、どう伝えれば穏便に対応してもらえるのかも考えながら退職の準備を進めていきましょう。
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