常識にとらわれないレストラン

 現在35歳の中国系アメリカ人のアンソニー・ミントは、中華料理レストラン「ミッション・チャイニーズ・フード」のオーナーシェフです。オーナーシェフといっても自分の店ではなく、中華料理店の間借りから始まったお店です。大学を卒業したミントが就職したのは旅行業界のマーケットリサーチ会社で、数年後に退職して世界一周の旅行に出ます。31カ国を旅して世界の料理に触れたことが、その後の彼の人生を変えることになります。帰国したミントはサンフランシスコに引越しメキシコ系の住民が多い、ミッションと呼ばれる地区のレストランで見習いシェフとして働き始めます。

 

レストランを間借りして始めた「ミッション・チャイニーズ・フード」

 そんなミントがミッション地区を歩いていたときに見つけた「龍山小館」という中華料理店のオーナーに、「1週間にひと晩だけ僕に、お店を貸してくれませんか?」と頼んだのです。その店は中華料理のテイクアウトだけを行っていて、店内での営業はしていなかったのです。結局1週間にひと晩300ドルで店を借りることができたお店が、3時間待ちの行列ができるのも珍しくない人気店になります。人気の秘密は中華料理ですが、彼独自の味でどこにもない創作料理だからです。そしてボリューム満点なのに、価格が安いことがクチコミで広がったのです。

 

1皿に付き75セントを寄付

 ミントのお店は全米の話題になり1週間にひと晩だけでなく今では、見習いシェフも辞め毎日「ミッション・チャイニーズ・フード」を開いています。ミントにはもうひとつの顔があります。それはお店でお客さんが注文するメインディッシュ1皿に付き、75セントを地元のフードバンクに寄付しているのです。フードバンクとは余った食べ物などを生活に困っている人や、ホームレスの人などに配っているボランティア団体です。寄付金の額は2011年と2012年の2年間で13万ドル(約1300万円)にもなります。

 

自分がやりたいことをやる

 これから30代で転職される方にとっても、アンソニー・ミントの生き方がとても参考になるものです。普通はオーナーシェフになりたいと思っても、お金がないからと諦める人もいるかもしれません。しかし彼は資金がないことなど関係なく、自分がやりたいことを見つけ実行したのです。彼にとっては資金のことより、自分がやれる方法で自分の夢を叶えました。さらにはお店の売り上げの一部を、地元の社会貢献のために寄付していることです。大企業が経営理念として社会貢献を掲げているよりも、彼の行っている行為は賞賛に値します。

 


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