“自分の棚卸”は済んでいる? 職務経歴書の勘違いポイント

転職者必須の書類といえば履歴書と職務経歴書の2トップ。履歴書はともかく職務経歴書の書き方に思い悩む人は多いのではないでしょうか。

 

どれほど優れたパーソナルスキルの持ち主であっても、第一関門を突破できなければ面接には至りません。人事担当者に会ってみたいと思わせる職務経歴書を整えるためには、どのようなポイントを押さえて行けば良いのでしょうか。

 

 

「何もない」のは本当か

ベテランほど強みを知らない

完成された職務経歴書が求職活動にとってどれほど重要性を持つかは、誰もが知っていることでしょう。それにも関わらず、いざ自分の職務経歴書を作成するとなると、思いもよらず苦戦する人が多いようです。履歴書に多少加筆した程度で行き詰り、「これ以上何も書くことがない」と愕然とする思いにとらわれるといいます。

 

いくら優れた人材であっても薄い中味の職務経歴書では、人事担当者には伝わりません。ビジネス経験が多ければいくらでも語るべきことがあるはずなのに、勤務経験の長い人ほどなぜかすき間だらけの書類に悩んでしまうのです。

 

筆者は求職者支援訓練講師やキャリアカウンセラーの経験を通じて、職務経歴書の添削を数多く行いましたが、一回でOKを出してあげられる人はほとんどいませんでした。

 

もちろんキャリアが長ければ手がけた業務も多いわけですが、職務経歴書が充実しない理由には、自分の強みが把握しきれていないということが挙げられます。求職活動のスケジュールを立てると同時に、自分のキャリアの棚卸を行ない職務経歴書のしっかりとした土台づくりを始めましょう。

 

 

キャリア棚卸の基本的なステップ

人間の記憶は何かのきっかけがあれば、細かなことまで引き出されてきます。忘れかけていた業務経験の中には、自分で意識していなかった強みとなる資質や行動があるかもしれません。

 

まずは経験してきた業務やプロジェクト、役職・ポジションについてできるだけ細かく書き出していきます。次にその業務やプロジェクトの成果、達成された数値などについて記載しましょう。良好な結果が出ていなかった場合でも、何らかの改善や問題点のあぶり出しなど、導き出されたものはなかったでしょうか。

 

成果が得られたものについては、その経緯を可能な限り詳細に伝えられるようにしてください。結末に至るまでの目標、計画、行動。さらにアクシデントを乗り越えたエピソードなど、具体的な手段や工夫も重要です。

 

ひとつひとつの経験から得られたスキルや学びとは、どのようなものだったのか。例え失敗があっても、次に生かせたことがあれば、それも記載していきます。

 

どのような企業にあっても日常の業務が積み重なり、そこで初めて個々のキャリア形成が成されます。ただ長く勤めていたというだけでは、売りになるはずもありません。採用する側は、それまで企業においてどんな役割を果たしてきた人物なのかを、一番知りたいはずです。

 

例えば「マネジメント経験あり」としても、内容までは伝わりません。どのような層を対象としていたか、具体的な人数をも記します。さらに注意していたポイントや、自分らしいマネジメントスタイルの工夫などを書き添えるとワンランク上のアピールができます。

 

 

些細に思えることにこそヒントがある

スポットライトは自分で当てる

中には「大きなプロジェクトに関わっていたわけではない」「目立った実績をあげられていない」「賞をとった経験がない」などで思い悩む人もいます。何か目立ったことがなければ、人事担当者の興味を引くことができないと思い込んでいるのではないでしょうか。

 

「ごく当たり前の業務をこなしてきただけ」の「ごく当たり前」が実は、転職においては素晴らしいスキルである場合も珍しくはありません。

 

営業職において、大きな契約を年に2回取り付けるよりも、毎月コンスタントに小さな目標をクリアすることの方が認められる会社もあります。表だって目立った仕事ではなくても、人材育成に従事し、確実に後進を育て上げてきている力量が評価を受けることもあるでしょう。

 

専門的なスキルがないことが、逆にゼネラリストとして歓迎されることもあります。中小企業での経験が、大手企業ではこなせないほどの、多方面にわたる経験値となっているとは考えられないでしょうか。名前の通った大手企業の名刺を手にしていない状態で市場を勝ち得てきたとしたら、それを能力ととらえる求人企業も必ずあるはずです。

 

自分自身が転職市場で生きるスキルの掘り起しを行なわなければ、誰も真の力に気づいてはくれません。

 

 

自分で見つける、他人に聞く

強みを見つけるのがなかなか難しいという声は多く聞かれます。ヒントを得るためには自分で振り返ると共に、他人からの意見を参考にするのも役立ちます。

 

同僚や得意先からいわれた何気ないひと言の中にも、強みといえる特質が隠れているかもしれません。習慣づけられていた行動が、自分なりのこだわりや経験から得られている場合もあります。特別に「すごい」こととは思えなくても、それが業務をスムーズに進めるためであったり、人間関係の潤滑性をもたらすものであれば、立派な強みといえるのではないでしょうか。

 

 

自己分析の結果見つかった強み

順位 強み 回答数
1 コミュニケーション能力 53
2 行動力 43
3 業務に関する専門スキル 34
4 仕事に対する意欲 33
5 実績 28

参考 転職のリクルートエージェント

 

 

転職時に注目する自分の強みといえば、どうしても業務経験内で考えてしまいます。が、時には業務外・社外での取り組みが、人間力を示すアピールポイントとなることもあります。業界・職種のセミナーや勉強会はもちろんのこと、社会的なテーマを持つサークルやNPO、ボランティア。あるいは地域の子どもたちへのスポーツ指導、サポートなども興味や人となりを伝える材料となります。

 

職務経歴書に職務以外の記載をしてはいけない、という決まりなどありません。企業が知りたいような情報であれば、それは有益です。求職活動の書類は何のためにあるのか考えれば、自分の強みとして「記載すべきもの」が見えてきます。

 

 

企業が求めるのは“伸びる資質”

活躍してくれそうな熱意ある人間が欲しい

わざわざ採用をする際に、役立たない社員となりそうな人間を選ぶ企業はありません。転職者に対しては、さらに選択眼はシビアです。似た様なスキルの持ち主であれば、より鮮明に熱意の見える人物、具体的に活躍が期待できる人材が選ばれます。

 

期待される人材となるには、これまで培ってきた経験を見せるだけでは不十分といえます。若者に対しては「伸びしろ」ということばが良く使われますが、何歳であっても企業が求めるのは自分たちの企業活動に見合った「伸びしろ」のある人材です。

 

職務経歴書の行間に欲しいのは、経験をさらに発展させられそうなイメージです。完成形のイメージではありません。前述にあった棚卸の中で、「失敗から得た経験を転化させる力」や「難局にある時の工夫」、最終的に自覚できた「スキルや学び」が必要となるのはこのためです。

 

転職に際しては、蓄積した力を今後は異なるステージでどのようにでも柔軟に生かせることを、相手企業に感じさせなければなりません。単に「社長賞を○回貰った」「××という実績を上げた」だけでは、「ウチの会社でも活躍してもらえるのだろうか?」という素朴な疑問に対し、納得させるには至らないでしょう。

 

 

応募企業との接点を探る

実際に応募する際には、企業ごとに職務経歴書の見直しが必要となります。応募企業を研究することにより、自分がそこで働いた場合に、スキルや経験がどのように生きるかを具体的にイメージします。業務上の接点を見つけることで、より説得力のある職務経歴書のカスタマイズが可能となります。

 

例えば、女性の多い企業であれば、女性対象のマネジメント経験を強調する。シニア層向けの事業を展開している場合には、シニアマーケティングの経験を盛り込むなど、こじつけではなく実際の業務に直結しそうなものを探し出します。

 

企業が求める熱意とは、勢いではありません。「自分はここで何をする?どうなりたい?」を前提とし、その会社で活躍する方向性について、信念をもって提示できる姿勢です。熱意が自ずと伝わるような職務経歴書を手にする時、本気の転職活動の開始となります。

 

 

http://www.r-agent.com/guide/ranking/201002/


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