疾走感を失うな!転職のスケジュール感を意識しよう

世の中は国民総転職時代ともいわれる社会。その中にあって期待通りの転職後の生活を手に入れる人は、果たして何割存在するのでしょうか。

 

また、転職活動の海原に漕ぎ出したは良いが、方向性を見失って沈没寸前という声も多いようです。転職への成功要因として挙げられるのが、活動にかける期間。戦略的スケジュールのあるなしが、結果に大きく関わってくることは間違いありません。

 

転職を決めたときから分刻みで動け

ベストタイミングから逆算する

転職は個人の自由意思で決定されますが、転職にベストなタイミングは社会や企業の求人動向によって大きく左右されます。自分の中で「○か月後を目途に」「来年あたり」と希望をもっていても、時期的な要因を無視しては、思いがけない苦戦を強いられることも考えられます。

 

筆者は求職者支援訓練講師やキャリアカウンセラーとしての経験上、スケジュール感が転職の成功に大きく影響していることを実感してきました。

 

企業活動の1年の流れの中で、求人・採用のニーズの高まりは変化していきます。ここで、一般的な企業の求人に関する状況の変化を見てみましょう。

 

状況 転職者のねらいめ
年度末 1〜3月 新年度組織改変計画時期

外資系では新年度採用計画決定時期 ・年末退社の欠員補充

・マネジメント層

・外資系企業求人

年度始 4〜6月 新入社員受け入れで中途採用は停滞 ・3月末退社の欠員補充

・大型連休明けから求人増加

上半期〆 7〜9月 夏季休業で採用活動は停滞

その後下半期に向けて活動再開

・管理職クラス

・6月退社の欠員補充

下半期開始1 10〜12月 来年度に向けて採用活動が活発化

年末は選考が停滞 ・幅広い採用枠

・役員及びそれに伴う求人

 

業界や企業ごとの決算時期により、求人の動きは異なります。特に中小企業では、大企業とわざと時期をずらし、確実な人材確保をねらう動きが見られます。

 

希望の業界や企業の動向把握は、求職活動を行なう上でとても重要です。転職を志した時点から「どのような情報が有用か」「いつまでに情報収集を行うか」など、着手すべき方向性を決めてスケジュールに落とし込んでいきます。

 

具体的に希望する企業に対しては、1年間の採用状況などさらに詳細なデータがあれば活動の足掛かりとなります。採用側も、採用するクラスによっては幹部が担当している場合があります。企業の大きなプロジェクトや、海外取引などの情報は、選考に関係してこないとも限りません。

 

横並びで行われる新卒と異なり、就職活動の時期を見定めることは重要なポイントです。企業の長期休暇、繁忙期などについて知ることで、より鮮明な就職活動のスケジュール感が浮かび上がります。

 

 

市場価値を見極めて踏切る

自らの「売り」となるキャリアや能力について、市場価値を知る必要性は転職において誰もが意識しているでしょう。まったく同じようなスキルをもっていても、転職の時期によってその価値は大きく変動します。

 

例えば、マイナンバーのしくみや活用に精通している人材は、導入前後の数年間は大きな価値があります。税制についても今後大きく変わってゆく見通しがあるため、変更点の相違に詳しい人材が求められるでしょう。社会状況が目まぐるしく変わる現代においては、これまでかなり地味に思われていたスキルが、一躍脚光を浴びるという可能性はいくらもあります。

 

転職の際に武器とするのは、新しく手に入れる知識やスキルなのか、長年培ってきた技術やノウハウをさらに先鋭化させておくのかは転職までのスケジュールと合わせて検討されるべきです。

 

個人的な事情、キャリアの市場価値と企業側の求職活動のタイミング。これらもろもろの状況を合理的に判断し、自らのゴーサインがいつ頃なら出せるのかを決定づけていきます。

 

 

長引けば長引くほど不利になる!?

ブランクはマイナス点となりやすい

転職をする際に考えられる立場は2系統あります。社員として働きながら次の転職先を探す場合、また早期退職制度などを利用して一度退職した後に就職活動を行なう場合です。

 

企業によっては35歳以上から早期退職制度の対象とする場合もあり、30代の転職でも一旦仕切り直しをしてから、という人も珍しくはありません。その際に、せっかくだから少し長くリフレッシュをしてからと考えても無理はありませんが、再就職においては特別な事情でもなければ不利になると考えて間違いはないでしょう。

 

採用する側としては、現場から離れたブランクがあればあるほど、ビジネス感覚の鈍化による即戦力への不安を感じます。また年齢を問わず、どれほど優れた過去の業績を示されようとも、現時点での働く意欲の有無がもっとも重視されるポイントです。例え金銭的に余裕があっても、再就職を目指すのであればブランクは無い方が有利です。

 

 

働きながら応募までの平均は11.3週

全年代において、転職活動を始めてから入社までにかかる標準的な期間は3か月から半年といわれます。まだそれほどこだわれるキャリアもない若年層の就職と比較して、30代以上では自分の希望に沿った求人を見つけるまでに時間がかかります。

 

求職者年代別転職活動期間
期間 20代以下 30代 40代 50代 60代以上
1ヵ月半 42.9% 19.2% 9.2% 9.5% 7.8%
3ヶ月以内 47.6% 62.5% 49.6% 21.1% 25.5%
6ヶ月以内 7.6% 18.3% 35.3% 46.3% 27.5%
7ヶ月以上 1.9% 0% 5.9% 23.2% 39.2%

 

参考:「エン転職コンサルタント」 転職活動期間について発表 | エン・ジャパン

 

情報収集を開始して実際に応募するまでの平均は11.3週ですが、20代では9.1週、40代では19.3週と大きな開きがあります。キャリアが長くなるほど、次の仕事選びに慎重になることがわかります。そしてそれに従い、転職活動の期間が長期化する傾向が見られます。

 

就職活動が長引く理由には、応募する側の検討時間と合わせ、採用側の選考期間も関連しています。中途採用の人材の場合には、キャリアが一定ではないことから採用側の観点も細かくなり時間がかかります。また、採用時期が固定されているわけではないので、人事担当者の不在や企業の組織改変など、不測の出来事によって選考が長期化する場合もあります。

 

転職活動の流れは、「情報収集」「応募書類作成」「応募」「書類選考」「面接(複数回)」となりますが、結果いかんによっては、このサイクルのくり返しになります。応募以降のスケジュールについては、企業側の流れに従うより他はありません。自分でコントロールできる前半について、ロスのないように調整していくことが転職活動の短期化につながります。

 

 

自分の転職に合ったスケジュールの要素とは

期限決めとモチベーションの低下

転職活動にあたり、応募開始のスタート時期とともに、“ここまでに決める”といった自分なりの期限を区切ります。不採用が続くと、次第にモチベーションが下がり気味になることはごく当たり前の現象です。期限をつけることで、有給の利用のムダを失くし、先走った退職の意志表明の危険を回避できます。

 

転職に時間がかかる人ほど、先に述べた自分に対する市場価値の理解にズレが見られます。自分の決めた期限近くまでに思うような結果が出ない場合には、書類作成の方法を含め、再検討の必要があります。自分がアピールしたい強みが、時期的に市場ニーズとマッチしていないという可能性もあります。時にはチャンスを待つ選択も必要です。先に期限を置くことで、求職活動に専心すると同時に、冷静になり立ち止まる期間を設けます。

 

 

準備段階に十分な時間をかける

転職においては丹念な下調べが、迷いのない行動をもたらします。自分が次の職場で求めるものを明確にし、ターゲット企業について調べ尽くしておけば、目先の条件でゆらぐこともないでしょう。企業の動向や採用傾向を熟知することで、応募時の不安を軽減できます。

 

応募し始めると現職の業務と並行しての就職活動が本格化し、時間の余裕が少なくなります。転職の決心が固まったときから、入念な準備を始めてください。ひと手間の違い、情報の多少が大きなプラスマイナスを生み出します。企業や業界・転職の情報収集と共に、“自分自身の転職用情報収集”にも十分な時間が必要です。

 

納得のいくキャリアプラン実現のためには、転職というリスクを最大限に生かし切るだけの準備をしておくことです。


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