2013年11月発表の、総務省統計局「労働力調査」によりますと、完全失業率は4.0%、249万人で、前年同月比11万人となりました。2010年の年平均完全失業率5.1%に比べるとかなり改善したことになります。
こうしたニュースを聞いて、安堵していてはいけないのが再就職先を探している30代以降の人たちです。リストラや倒産など、さまざまな事情があって仕事を失わざるを得なかった方々は特に、「やれやれ」という気持ちから「少しくらいは休息の時間を持とう」と考えがちです。
しかし、この甘さが大きな命取りになることを決して忘れてはならないのです。
2013年は財政出動や金融緩和などの経済政策から、日本全体に明るいムードが立ちこめました。また2020年東京でオリンピック・パラリンピック開催などの話題も、土木、建設業界に明るい活気を呼び戻し、今後の公共事業への期待が高まっています。
また2014年消費税率が上がる前の駆け込み需要で、集合住宅の大型修繕工事なども多く、中には「急募」「年齢不問」といった求人も数多く見受けられました。
しかし、求人が増えたことで安心して「焦らなくてなんとかなりそうだ」「自分のキャリアなら、もっと良い条件の仕事があるだろう」などと求人情報をザックリとしか見ていない30代以降も少なくありません。
中高年の楽観的観測は、高度経済成長期やバブル経済時期に味わった「良い変化」が原因だと考えられます。また、「自分にはもっと良い仕事があるはず」という考え方は、過大な自己評価と見栄から起こるものだと言えます。
昨今の現場では使いものにならない「ガラパゴス」と言われることにならないよう、3つのだろうを今すぐ捨て去ることが必要です。
・今まで頑張ってきたのだから、少しは休息の時間を持ってもいいだろう
・何とかなるだろうという楽観的観測
・自分にはもっと良い条件、ポストの仕事がどこかにあるだろうという甘さ
スピードの時代に休息などと言っていると、社会はどんどん変化し、さらに自分は確実に年齢が上がって就職に不利になると、現実を認めましょう。
「何とかなるだろう」は、「何とかならないかもしれない」に変えて、緊張感を保つべきです。また自分の評価を課題に持ったり、再就職後、人からバカにされるような仕事はしたくないなどという見栄は百害あって一利なしだと思うべきです。
とにかくスピーディーに行動する、30代以降の就職の現実は「何とかならない」と考える、見栄は捨てて目の前にあるチャンスを活かすことがポイントです。
よほどのキャリヤ実績が無い限り「望み通りの転職は難しい」という現実があることも、再認識することが重要なのです。